So-net無料ブログ作成
検索選択

太田道灌蓑を借るの図に題す [水元正介の「詩吟テキストの解読」]


※ 鳥取県の銘菓、「ふろしきまんじゅう」の商標です。

◆ 「太田道灌蓑を借るの図に題す」について     水元 正介

◎ この詩の背景について、寺山天洲先生(初代宗家)は詩吟の通信教育用テキストの中で、次のように書かれておられます。

★★★ 太田道灌は室町時代の武将で、江戸城の構築者として有名であります。彼は55歳のときに暗殺されて非業の最後をとげましたが、この詩は彼がまだ壮年期の頃のことと思います。或る時単騎駒を進めて武蔵野ケ原に狩りに出かけ、夕立ちに遇って、たまたまたずね当てた民家で、蓑(みの)を借りようとしましたが、応対に出た少女は何も云わず、盆の上に山吹の花一と枝を乗せて差し出しました。道灌はその意を解し得ず、焦りのあまり心は麻の如く乱れ、武人の恥を忍んで帰館しました。後になって調べてみますと、古へ(いにしえ)の歌、つまり古歌の文句に「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだに無さぞ悲しき」という歌があることを知りました。以来、彼は大いに発奮して文武両道に励み、素晴らしい歌人として今日に名を残しています。★★★

【詩文と読み】

孤鞍(こあん)雨を衝(つ)いて茅茨(ぼうし)を叩く
少女 爲(ため)に遺(おく)る 花 一枝(いっし)

 [和歌] 七重八重花は咲けども山吹の
      実のひとつだに無さぞ悲しき

少女言わず 花 語(かた)らず
英雄の心緒(しんしょ)亂(みだ)れて絲(いと)の如し

【語意】

「太田道灌」は、室町時代中期に活躍した武将であり、歌人でもありました。築城や軍略にすぐれ、言わずもがなではございますが、江戸城の築城者としても有名です。「孤鞍」は、ひとつの鞍のことですから、ここでは大田道灌が従者も連れずに乗馬に出かけたをさしています。
「茅茨(ぼうし)」は、白川郷でたくさん見られる「かやぶきの屋根の家」をイメージしていただければよいでしょう。「花一枝」は、八重の花を咲かせている山吹の1本の枝という意味です。「心緒(しんしょ)」は、心の動きのことです。

※ 【私流の現代訳】につきましては、前述の初代宗家の解説がございますので省略させていただきます。(2008/2/11)


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

関連リンク